B-SELS ビーセルズ の日記
-
w1nGs London Town
2020.01.12
-
ウイングスのLP『LONDON TOWN』、ご存知のとおり、このLPのジャケット写真の色は、表がグレー、裏がブルーを基調としている。
そして、この背景にあるロンドン橋、表の写真ではリンダの頭の右にロンドンバスが走っているが、裏の写真ではリンダの頭の左にバスが移動しているなど、芸が細かい。
しかし、実は、裏のジャケットのリンダの頭に隠れて、もう1台バスが走っている。
すでにお気づきの方も多いと思うが、このレコードのレーベルがこのジャケットの背景と同じなのだ。色は、A面がグレー、B面がブルー、そして、A面(SIDE 1)のバスは1台、B面(SIDE 2)のバスは2台である。
「グレー」と書いたが、タイトル曲「LONDON TOWN」の歌詞では、「PURPLE AFTERNOON」とある。「紫の午後」とはこのジャケット表のような色の天気なのかもしれない。その証拠に、このレコードを入れるインナースリーヴの絵の色は、表がパープル(ピンクっぽい)、裏がブルーだ。
ポールが第二の故郷ロンドンの街にたっぷりの情感を込めて書いた「LONDON TOWN」、故郷リヴァプールへの郷愁を描いた「PENNY LANE」にも似たこの曲、「PENNY LANE」でもポールは雨と晴れのコントラストを強調していたが、この「LONDON TOWN」も背景にある色を想像しながら聴くとより一層味わい深い。
「ロンドンの汚い地面に銀色の雨が降りそそいでいた」という歌詞に、雨と土ぼこりの匂いまでしてくるではないか。
ちなみに、このタイトル曲「LONDON TOWN」については、アルバムからのサード・シングルとして、UK・US・日本でシングルカットされた。UK盤シングルも、LPと同じカスタム・レーベルで、もちろんA面の「LONDON TOWN」の方がグレーだ。
B-SELSにはこのUKシングルの貴重なデモ盤を出品している。デモ盤のマトリクスは両面1、マザー・スタンパーは両面1G。これも、このシングルの最高峰だ。A面のタイトル曲も良いが、B面が、これまたジョージも絶賛したという名曲「I’M CARRYING」で、こういう曲こそ良い音で聴けばそれこそ「サイコー」だ。B-SELSにはA面マトリクス2のスタンパー一桁盤も出品しているので、マト1との聴き比べも楽しい。
そして、この曲の日本盤シングルは、UKの通常盤よりレアだろう。なかなか出てこない。もちろんB-SELSには通常盤も国内見本盤も出品している。
この国内盤、残念なことにレーベルの色が逆なのだ。ブルーの方をA面にしてしまっている。しかし、感心なのは、従来のドーナツ盤ではなく、ソリッド・センターにしていることだ。だから、ちゃんとバスが2台、残っている。(US盤はドーナツ盤で、バスは影も形もない!)